会社分割には、吸収分割と新設分割があります。
吸収分割とは、事業に関して有する権利義務の全部又は一部を他の会社に承継させる行為です。
新設分割とは、いわゆる分社として行われることが多く、事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分離、承継させて新会社を設立する行為です。
なお分割会社は例え全事業に関して有する権利義務の全部を承継させる新設分割であっても、法人としては存続します。
事業の全部を会社分割の対象として、分割会社を持株会社化(ホールディングカンパニー化)し、会社分割設立会社を子会社にする方法でも使われます。
会社分割の登記は、注意点が多数ありますので、名古屋市及び名古屋近郊で会社分割の実績がある当事務所にご相談ください。
ここでは、当事務所での事例が多い新設分割について記載します。
新設分割では、分割対価が分割会社自身に交付される(物的新設分割又は分社型新設分割という。)ものと、一旦は分割会社に交付して直ちにその対価の全部を分割会社の株主に取得させる(人的新設分割又は分割型新設分割という。)ものがあります。
新設分割で多い事例は分社型新設分割だと思われますので、下記にその手続きの流れを記載します。
・新設分割計画立案
(分割会社から承継する事業・設立会社の内容等を決める)
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・新設分割のための取締役会(取締役の決定)
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・新設分割計画の作成
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・会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律に基づく労働者への通知
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・新設分割計画等の事前備置(会社法第803条参照)
※遅くても株主総会の日の2週間前の日から事前備置
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・新設分割計画承認株主総会(効力発生日の前日までに)
※決議から2週間以内に株主に対し通知又は公告(総会前でもOK)
※決議から2週間以内に一定の新株予約権者に対し通知又は公告(総会前でもOK)
・債権者保護手続が必要な場合(効力発生日の1か月以上前に)
・株主への通知又は公告(決議の日から2週間以内)
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・新設分割計画で定めた効力発生日の到来
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・新設分割期日に登記申請
※新設分割設立会社の設立登記と分割会社の変更登記の同時申請
※新設分割設立会社と分割会社の管轄法務局が異なっても、同じ法務局に申請します
※新設分割は登記が効力要件です
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・新設分割計画等の事後開示(6ヶ月間)
債務が新設分割設立会社に免責的に移転する債権者で分割会社に権利行使できない債権者には、債権者保護手続が必要です。
分割会社が、新設会社が承継する全債務につき、併存的債務引受をする場合、その債権者は、分割会社にも権利行使できるため、債権者保護手続が不要となります。
負債を承継させない場合も当然に債権者保護手続は不要です。
ただし分割型新設分割の場合は、常に債権者保護手続が必要です。
※債権者保護手続が必要な場合の具体的な方法は、合併の場合とほぼ同じなので合併のページをご参照ください。
※吸収分割の場合、吸収分割承継会社では必ず債権者保護手続が必要になる点はご注意ください。
新設分割計画には、基本的には新設分割設立会社の設立に必要な事項、分割会社から承継する資産、債務、雇用関係その他の権利義務に関する事項、分割会社に対して交付する新設分割設立会社の株式の数、資本金及び資本準備金の額に関する事項等を定めます。
※新設分割は会社設立行為なので、吸収分割と違い株式の非交付ということはできません。
分割型新設分割の場合は、分割会社がその対価の全部を分割会社の株主に取得させる方法(全部取得条項付種類株式を利用する方法・剰余金の配当を利用する方法)を定めます。
新設分割計画書は、印紙税法により、合併契約書や吸収分割契約書と同様に、1通4万円分の収入印紙の貼付が必要です。
会社分割においては、分割対価については、原則として分割会社自身に新設分割設会社の株式を対価として交付するものであり、分割会社の株主や社員に直接交付するものとはされていません(分社型会社分割)。
会社計算規則第49条(簿価出資の発想をする単独新設分割の規定)
分割会社の株主資本等変動額(株主資本等変動額=分割承継する事業の簿価株主資本額(資産-負債)-自己株式(簿価)対価額-現金等交付額)の範囲で新設分割計画の定めにより新設分割設立会社の資本金の額を決定すします。新設分割設立会社では、自由に資本金・資本準備金・その他資本剰余金に計上することができます。分割会社では、新設会社株式〇〇円(分割承継した事業の簿価株主資本額)と計上します。
なお債務超過事業を承継させた場合、新設分割設立会社のその他利益剰余金がマイナスとなり、資本金の額は0円となります。
なお分割型新設分割でもこの会計処理を採用し、分割会社では資本金の減少をさせるのではなく、剰余金を減少させて剰余金を分割会社の株主に配当させることもできます。
会社計算規則第50条(資本金等を受け継ぐという発想をする単独新設分割の規定)
分割会社が事業の一部を分離し、その分離した事業に対応する資本金・資本準備金・その他資本準備金・利益剰余金・その他利益剰余金をそのまま新設分割設立会社の本金・資本準備金・その他資本準備金・利益剰余金・その他利益剰余金にするものです。本条を適用できるのは、分割型新設分割に限られ、対価の全部が新設分割設立会社の株式であることが必要です。
ただし、分割会社で資本金の額等の減少手続が別途必要になります。新設分割設立会社の資本金の額は、新設分割によって減少する分割会社の資本金の額と一致している必要があります。
会社計算規則第51条(共同新設分割の規定)
まず共同分割であることを無視して単独分割したと想定して、それぞれ仮の計算を行い、次に、その仮の計算で新設された想定上の会社が新設合併したと考え、以後は会社計算規則49条以下で計算することになります。
※会計処理方法は難しいので、税理士に相談してください。
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
・定款
・株主名簿
※決算公告を行っていない株式会社については、貸借対照表の要旨を公告の内容とする必要があるため、貸借対照表と損益計算書を確認させていただく必要があります。
手続き | 報酬 |
会社分割手続報酬 | 金15万円から |
定款作り直し | 金1万円 |
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