· 

買主と売主の担当司法書士が別の決済

不動産売買の決済を担当する司法書士は通常一人です。

 

地域によっては買主と売主で別々の司法書士が担当するのが通常の地域もあるようです(京都方式決済)。

 

名古屋地区においては、買主と売主の両方を同じ司法書士が担当しているはずです。

 

通常は買主又は買主側不動産仲介会社が指定した司法書士がいれば、売主又は売主側不動産仲介業者も、この司法書士に決済を任ます。

 

私は今まで何度も不動産売買の決済を担当してきましたが、ほぼ全てが私が一人で買主と売主の両方を担当する決済でした。

 

しかし、名古屋地区でも、買主と売主で別々の司法書士が担当する決済を行うことがあり、このような決済を何度か経験しています。

 

売主側の不動産仲介業者がどうしても売主側に自分たちの提携司法書士をつけたい場合、又は売主がどうしても自分の知り合いの司法書士に任せたい場合、名古屋地区でもこのような決済になることがあるのです。

 

この場合、決済には買主側と売主側の司法書士二人が出席し、買主の本人確認と必要書類の確認は買主側司法書士が行い、売主側の本人確認と必要書類の確認は売主側の司法書士が行い、登記が間違いなくできることを双方で確認し、買主に売買代金を支払ってもらい、売主は着金確認をします。

 

決済後の登記に関しては、買主側と売主側の司法書士で共同申請で行うか、もしくは買主側の司法書士が売主側の司法書士から復代理委任状をもらい買主側の司法書士が申請する方法をとります。

 

事前に買主側と売主側の司法書士で打ち合わせをして、状況に応じて共同申請方式と復代理方式のどちらで手続きするか決めます。例えば権利証を売主が紛失している場合は売主側司法書士の本人確認情報を添付することになるので共同申請方式を選択することになるかと思います。

 

買主と売主の担当司法書士が別の決済の手続きををして思うのは、「やっぱり1人で買主と売主の両方の担当をした方が断然手続きしやすい」ということです。

 

自分が買主側担当の司法書士として指定されているケースで売主側司法書士が別に指定されている場合、不動産業者との打ち合わせに加え、売主側司法書士とも打ち合わせをしなければなりません。

 

さらに売主側司法書士が作成する登記原因証明情報はしっかり事前に確認しなければなりませんし、売主側の書類ががちゃんとそろっているのかという心配もあります。

 

通常の決済より手間がかかるのに売主からは報酬をいただくことはできないので報酬も減ります。

 

金融機関の決済を行う部屋が狭い場合、決済の関係者が多いと皆さんの座る場所を確保するのが難しい場合もありますね。

 

このような理由から、買主側の司法書士として決済の仕事を受ける際、売主側の司法書士が指定されていないと、ほっとします。買主と売主の担当司法書士が別なのが当たり前の地域の司法書士の方はこんなこと思わないんでしょうねー

 

司法書士 佐藤賢