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【注意】監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めが登記事項になっています

会社法改正までは、定款で監査役の監査の範囲を会計に限定していても、登記事項ではありませんでしたが、会社法改正により、平成27年5月1日から、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社は、その旨の登記をしなければなくなりました。

 

現在監査役の監査の範囲を会計に限定している会社は、平成27年5月1日以降、最初に監査役の就任、重任又は退任の登記をする際には、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の登記をしなければなりません

 

注意をしなければならないのが、会社法施行時(平成18年5月1日)より前に設立していた株式会社の場合です。

 

会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)53条の規定により、平成18年5月1日当時、小会社(資本金1億円以下であり、負債が200億円未満である会社)で、かつ株式の全部に譲渡制限がある会社は、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるとみなされます

 

上記のような会社は、このみなし規定により、平成18年5月1日から現在までの間に、監査役の監査の範囲について定款変更をしていない限り、監査役の監査の範囲は会計に限定されていますので、次に監査役に関する登記をする際には、その旨の登記をしなければなりません

 

ご自身の会社が実は監査役の監査の範囲が会計に限定されていることを知らない方もおそらくいらっしゃるのではないでしょうか。定款に監査役の監査の範囲について何も記載されていない場合については、監査役の監査の範囲について知らなくても無理はないです。

 

しばらくの間は、監査役の登記をする際は注意をしなければなりませんね。

 

司法書士 佐藤賢