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不在者財産管理人の実務の研修に行ってきました。

先週ではありますが、愛知県司法書士会で不在者財産管理人の実務の研修に行ってきました。講師は元家庭裁判所書記官の先生であったため、実務に即した大変参考になる研修でした。


司法書士の業務の中で、そんなに頻繁に不在者財産管理人の選任が必要になることはないのですが、不在者財産管理人の選任がどうしても必要になる場合があります。

司法書士の実務上、不在者財産管理人の選任を必要とする場合は下記の場合がほとんどです。


・遺産分割協議の際、行方不明の相続人がいる場合

・不動産の共有者の一人が行方不明で、不動産を売却したくても売却できない場合


研修では、今後の実務でも役に立ちそうな情報を仕入れることができました。例えば下記のような情報です。


司法書士が不在者財産管理人選任申立書作成代理人となった場合、その司法書士を不在者財管理人の候補者になることはできない。そのため司法書士自身が不在者財産管理人になりたい場合は、場合によっては他の司法書士に不在者財産管理人選任申立書作成代理人になってもらい、自分が不在者財産管理人候補者となり申立をする方法もある。


ほとんどの場合、候補者を挙げて不在者財産管理人選任の申立がされているが、仮に候補者を挙げないで申立がされた場合、現状は弁護士会の名簿の中から候補者依頼をすることが多い。(今司法書士会でも名簿を提出する準備中らしいです。)


裁判所が不在者財産管理人候補者にふさわしくないと判断した場合、それだけで申立てを却下することはなく、裁判所が候補者の変更依頼の連絡をする。


不在者財産管理人選任の申立の必要書類で不在者の不在を証する書面がある。その中でも警察の捜査願受理証明書があれば強力な不在を証する書面になるが、近年では事件性がなければ捜索願を受理しない警察が多くなり、捜索願受理証明書を不在を証する書面として提出することは難しくなっている。


司法書士が不在者財産管理人になり、行方不明者がなかなか現れなく報酬をもらっているうちに、不在者の財産がなくなった場合、管理する財産がないのだから業務終了。


不在者財産管理人が相続放棄できるかどうかについては争いがあるが、現在は可能という説が有力(裁判所の許可はもちろん必要)。


不在者財産管理人の業務をする上で、少しでも悩んだら家庭裁判所に聞くことが大切。裁判所に聞くことは恥ずかしいことではない。


上記以外でも今後の実務に役立つ情報を教えていただきました。講師の先生に御礼を申し上げます。


司法書士 佐藤賢