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司法書士報酬の源泉徴収

司法書士に報酬を払うときは、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。そのため司法書士はお客様に司法書士報酬を請求する際、源泉徴収額を差し引いて請求することになります。

 

司法書士報酬の源泉徴収額の計算方法は、1回の司法書士報酬額から1万円を差し引いた残額に10.21%を乗じて算出します。

 

司法書士報酬から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税の額は、原則として支払った月翌月10日までに納めなければなりません。ただし源泉徴収義務者が源泉所得税の納期の特例を受けている場合は、1月から6月までの間に支払った報酬に対して源泉徴収した分は7月10日までに、7月から12月までの間に支払った報酬に対して源泉徴収した分は翌年1月20日までに納めることができるとされています。

 

ただし、司法書士報酬の支払者が個人であって、その個人が給与等の支払者でないとき又は給与等の支払者であって常時2人以下の家事使用人のみに対する給与の支払者であるときは、原則として源泉徴収する必要はないとされています。そのため司法書士は原則として、法人ではない個人のお客様に司法書士報酬を請求する際、源泉徴収額を差し引く必要はなく、例外的に個人のお客様であってもその方が給与支払者である場合は、源泉徴収額を差し引いて請求することになります。

 

ちなみに支払先である司法書士が司法書士法人である場合は、司法書士報酬の支払者が個人であっても法人であっても、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収する必要はありません。そのため司法書士法人がお客様に司法書士報酬を請求する際は、源泉徴収を差し引くことはありません。私は開業する前は、司法書士法人に勤めていたので、お客様に司法書士報酬を請求する際、源泉徴収を差し引く必要が全くありませんでした。開業してからは源泉徴収を気にしてお客様に請求しなければなりませんので、すごく面倒に感じてしまいます。(実際面倒なのは、源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を納付しなければならないお客様ですが・・・)

会社設立時の司法書士報酬の注意点

源泉徴収義務者が源泉所得税の納期の特例を受けている場合は、1月から6月までの間に支払った報酬に対して源泉徴収した分は7月10日までに、7月から12月までの間に支払った報酬に対して源泉徴収した分は翌年1月20日までに納めることができるとされています。

 

そのため会社設立時にこの特例の申請をしておけば、設立登記の司法書士報酬を支払った翌月に源泉徴収分を納める必要はないと考えてしまいますが、間違いです。

 

この特例は、申請した月の翌月末日に承認があったものとみなされますので、例えば1月に申請すれば2月末日に承認があったものとみなされます。そのため1月に設立登記の司法書士報酬を支払っていれば、仮に1月に特例の申請をしていたとしても、翌月である2月10日までに源泉徴収額を納めなければなりません。